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空棚のトラウマ

生活必需品を求めて長蛇の列…
そんな光景がニュースで流れる三月への
突入です。
普通に考えても、ここまで日常必需品の
入手不可能なんて、ありえない…と
殆どの人達は わかっていると思います。
では何故、それでも並んで買い溜めるのか。
●狂人が自分の支配力を試しているので、
 どんな不条理な事でも起こりうるという
 国民なりの自己防衛と不安。
●本土では、あの東日本大震災での
 パニックがトラウマになっているから。
 
●単純にニュースを見て集団ヒステリーに
 陥ってしまったから。

●実際、空っぽの棚を店頭で見て焦ったから

●転売目的のチャンスだから。

 

などなど理由は幾つも考えることができます。

でもね…冷静に海外のニュースや
流れを見ていると、毎度変わらぬ事実が
浮き彫りになります。
どんな時も大きな歪みが行くのは
子供、高齢者、ケアを要する人達です。
病人への負担も大き過ぎます。
正しい事を言えば潰されるか自粛を強制
されます。
私は生活必需品の棚が空っぽになった
のを見て、やはり東日本大震災を
思い出しました。
あの時は水を求めて街中を探し回って
いました。
今でも鮮明に覚えているのは六本木の
大通りを歩いていたら、いきなり
背広姿の会社員達が多量の水の
ペットボトルを持てるだけ下げて
足早に行く所に出会い、
思わず付いて行ったら、量販店に人が
黒集りで水のペットボトルが
山積みにあってドンドン売れている
あの悪夢です。速攻で無くなりました。
物資の豊かな暮らしに慣れていたので
店頭から物が無くなるという感覚が
戦争を経験していない世代には
大きなトラウマになったと思います。
戦争を知らない、経験していない世代
ばかりで何でも他人事に感じる結果も
あると思います。
そんな事をツラツラと考えながら
ふと気分を変えようと顔を上げると
沖縄は、すっかり暖かくなり
日中は半袖さん達なのが目に
つきます。
何処に住んでいても同じなのだと
思いますが、日常目にした風景に
ほんの少しの微笑みをスプーン1杯
加えて見たらなんて思います。
私は階段の踊り場に椰子の木があるのを
見つけました。
お日様が照っていて…空が皆と繋がって
いて…風が ふんわり吹いて来て…
バランスの良い食事と
いつも通りの手洗い。
海辺に行くと、潮が満ちたり引いたり…
海面は空を映します。
先程、故郷の麻布十番で毎年
8月末にある納涼大会が中止になる
というニュースを見ました。
身体の行き場だけでなく
心の行き場まで失いたくないです。
それにしても、こういう時だからこそ
見えてくるものが多いと痛感します。
優しくありたいものです…