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祝・萩尾望都

漫画家の萩尾望都が2019年
文化功労者に選出されましたね。
ニュースや何かのきっかけで
自分が多感な時に読んだ作品が蘇り
胸がツンとなることってありませんか?
私は とにかく何でも取り上げられて
育ったので漫画も音楽もスリリングな
思い出があります。
見つかったら捨てられてしまいました。
それでもコソコソと熱心に漫画を探して
当時 親が薬局に週刊誌や漫画を置いて
いたので読んだものでした。
萩尾望都の『ポーの一族』と
『トーマの心臓』は2〜3回文庫本が
見つかり、お小遣いを貯めて買いました。
見つかる→捨てられる→また買うの
繰り返し。
そんな思い出の萩尾望都が今年で画業
50周年だそうで、あの頃の
読みたい一心だった気持ちが
生々しく思い出されます。
私の中で「大泉サロン」と言われている
24年組の漫画家は、それぞれ
その作品に共なって鮮やかに浮かぶ
光景があります。
大好きな稲垣足穂を研究したという
竹宮惠子の『風と木の歌』も
せっせと集めて、ウィーン少年合唱団を
聴いたり、山岸涼子の『日出処の天子』
を調剤室の隅で隠れて読んだり、
大島弓子の『綿の国星』を読んで
それまで犬派だったのが猫に興味を
持つようになって、後々 猫の
保護をやることになったり…
漫画の無限の魅力は手塚治虫という
神に目覚めさせられていたので
禁じられれば、尚更読みたくなる気持ち
に火が付いて、十代後半で自宅の裏に
あるボロ屋の物置二つにギッシリ
漫画を段ボールに入れて隠したのが
我ながら無駄な抵抗をしたものだと
思います。
結局、またしても全て処分させられ
同じことを繰り返しましたから。

 

『ガロ』が大好きで、『ガロ』に
描いている漫画家の多様さに感動して
いました。

 

今は どうなのか知りませんが
私は学校の図書室に白土三平の
「カムイ伝」が置いてあり読むことが
できました。
これだけ何でもかんでも検閲とか
勝手に怖がって自粛ムードの現在、
書籍や漫画にも圧力がかかっていく
のでしょうか。
Twitterも本当の事を書くと
削除されることがあります。
今年は吾妻ひでおが召さたのが
記憶に新しいです。
異色で魅力的な、つげ義春の作品を
せっせと集めていたのも懐かしい
です。ご存命なのは何よりです。
それを思うと神と私が崇める
手塚治虫の享年60歳は早すぎると
痛感します。
あの膨大な作品群を買って、
さらに三省堂で全作品のリストを
貰って隠したのも、どれだけ
パワー使って漫画を読んだの?
と、思います。
そうそう、話が逸れました。
何はともあれ萩尾望都が
2019年度の文化功労者に選出
されたことは、祝!祝!です。